授業概要

2015年度春学期・秋学期の日本語コース開講科目概要

科目名:地球環境工学論 —理工学からみた地球環境問題—

講義:大坪 國順

20世紀のあまりにも急激な人間活動の膨張は様々な環境問題を生み、人類の生存基盤を揺るがそうとしている。これまで人類は様々な限界を克服してきたが、環境問題という形で眼前に突きつけられた地球的限界を克服するのは非常に難しい。温暖化問題、自然資源や天然資源の劣化などを題材に、地球環境の状況はどうなのか、何故そのような状況になったのか、人類や生物への影響はどうなるのか、どのような対策があり得るのか、50年後はどうなるかを俯瞰し、持続可能な社会を実現するために何をすべきかを考える。

環境問題を取り扱う上での有力な考え方として、Driving Force(誘導因子) - Pressure (環境負荷)- State(環境変化) - Impact (環境影響)- Response(対策)のフレームワークがある。本講座は、種々の地球環境問題に対して、このフレームワークで捉えられるようになることを目標とする。

科目名:環境倫理 —現場から考え、現場から立ち上げる「環境倫理」—

講義:鬼頭 秀一

自然とどのように関わるのか、自然保護とは、環境保全とはどういうことなのか、何を守るのが正しいのか、自然を再生するといっても、何を再生するのか、環境にかかわる政策はどのような理念で立てるべきなのか、どのような技術、どのような科学技術がいま必要で、どのような科学技術を発展させるのが妥当なのか。そのようなことを考え詰めることが環境倫理学であり、また、そのような環境倫理学に基づいて環境にかかわる政策が立てられるべきであろう。しかし、それは机の上で思索を重ねるだけでは出てこない。また、先人の思索の中に、多くの書籍の中にあるわけではない。現場から考え、現場から立ち上げる「環境倫理」とは何か、何を目指すのか、その辺りについて議論しながら考えていきたい。

環境にかかわる政策、環境にかかわる教育(環境教育、ESD)、環境にかかわる技術、科学技術に深い関心がある方々が、それぞれの学問の基礎として、あるいは、それらの学問が成り立つ土俵として、理念としてあるべき環境倫理のあり方について、理解し、その環境倫理に基づいた形で、政策の問題、教育の問題、技術の問題、生活全般について、きちんと見通しをもって語り、議論することができるようになることを求めている。その意味では、実践的な意味での「環境倫理」を理解し身に付けていただくことが目標となる。

科目名:環境と経済制度

講義:鷲田 豊明

環境問題には、対立や強調、あるいは交渉がつきものである。汚染する側と被害者の関係、地球環境問題に関わる当事者(国、地域)の間の関係、途上国と先進国の関係、廃棄物に関わる様々な主体の関係、資源利用を巡る関係、は、すべてすべての当事者の利得や損害が、当事者の戦略の関係の結果である。このような状況を分析するツールにゲーム論がある。講義では、ゲーム論的視点から、環境問題、環境政策を分析する。

ゲーム論は、このような環境の問題に限定されずに、広く経済社会の問題に応用される。ゲーム論を学ぶことによって、社会問題に対する新しい視野を得ることができる。

ゲーム論の基本的な内容を理解するとともに、様々な環境問題にどのように応用できるかを理解する。

科目名:環境政策論

講義:柴田 晋吾

身近な環境問題や地域レベルの生物多様性保全の問題から、グローバルな地球温暖化の問題、環境・経済・社会の持続のための国際的な動きなど、自然共生・循環型・低炭素社会を目指す環境政策全般についての広範な基礎知識と考え方を身につける。今学期は、「環境政策の形成過程における参加・協働」を重点テーマとして取り上げ、国内外の取り組み事例や各自のケーススタディの実施を通じて理解を図る。

自然共生・循環型・低炭素社会を目指す環境政策についての広範な基礎知識と考え方を身につける。また、「環境政策の形成過程における参加・協働」についての国内外の取り組み状況についての理解を図る。

科目名:環境金融論

講義:藤井 良広

地球温暖化問題などの環境問題の解を求めるに際して、金融の多様な機能を活用することをテーマとする。

なぜ金融手法かというと、最適な費用対効果の政策を選別するには、政府主導の規制や環境税などよりも、環境リスクを市場で審査・評価するほうが効率的であり、かつ膨大な市場の資金を環境対策に振り向けることができるためである。融資、投資、保険、信託などと広範囲な金融手段の活用とともに、クレジット取引なども学ぶ。

金融機能の理解を通じて環境問題を合理的に解決する展望を得る。

科目名:環境計画・リスクマネジメント論

講義:黄 光偉

様々な環境問題の起因と現状を理解し、人間活動を取り巻く水圏、大気圏などの環境を汚染する物質の制御や、その媒介となる財・サービスの生産活動を管理してゆくための計画論を学ぶ。さらに、治水を環境のひとつ要素として扱う。洪水・津波を対象にし、水災害リスクを軽減する計画の基礎を学ぶ。

環境汚染の問題と背景をローカルスケール、地域および地球規模において把握し,環境保全を目標とした環境計画の基礎的素養と手法を身につける。

科目名:カーボンマネジメント論

講義:粂原 茂人

本講義では内閣府カーボンマネジャー事業におけるレベル1認定を受ける際に必要な知識を習得することを目的として、環境/エネルギー分野の基礎知識を学習します。カーボンマネジャー事業は平成22年6月18日に決定された「新成長戦略」において21世紀の日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクトのひとつである「実践キャリア・アップ戦略」に位置付けられたもので、新たな成長分野である環境/エネルギー分野への労働移動を促し、当該分野・業種での人材を育成・確保するための制度です。このカーボンマネジャー事業はレベル1からレベル7まで設定されており、レベル1は省エネ・温室効果ガス削減等に関する「各種制度、代表的手法などを理解できる」レベルとされています。

具体的には、本講義は下記の知識・スキルを身につけることを目的とします。

  • 地球温暖化問題、エネルギー問題等に関する基礎知識が分かる。
  • 省エネ・温室効果ガス削減等に関する各種制度(省エネ法、温暖化対策推進法、各種排出量取引制度等)を理解し、その制度活用の相談先・情報入手先等が分かる。
  • 温室効果ガスの算定方法を理解できる。
  • 省エネ・温室効果ガス削減等に関する代表的な手法を理解できる。

科目名:環境マーケティング

講義:フランク ビョーン

環境マーケティングとは、企業が環境にやさしい製品の設計と販売に必要な活動、及び消費者がその製品を購入する動機を見極める分野である。本講義では、まずマーケティングの基本的な知識を解説し、そしてそれに基づいて環境マーケティングの知識を習得する。対象テーマは、環境マーケティング戦略及び環境マーケティングミックス、顧客関係管理、環境にやさしい製品の設計、環境マーケティングリサーチ等である。

本講義は、顧客志向の企業で働く際に有利な知識、また環境にやさしい製品の設計・販売に有利な知識を受講生に伝えることを目的とする。受講生は、環境マーケティング戦略及び環境マーケティングミックス、顧客関係管理、環境にやさしい製品の設計、環境マーケティングリサーチ等のテーマに関して、理論及び事例を学習し、さらに習得した知識を環境マーケティングリサーチ演習で応用する。また、受講生は応用統計学と国際マーケティングの基本概念を身につけることが期待される。

科目名:持続可能社会政策論 —地球温暖化政策とエネルギー政策の政策形成過程を検証する—

講義:柳下 正治

  • 地球環境問題は、人類の生存基盤に対する脅威である。その解決のためのキーワードは、「持続可能な開発(発展)」である。しかし、持続可能性を実現するための国内外の政策形成過程の実態を見ると、利害が錯綜し、考え方の違いによって、合意に達するまでに非常に困難に直面するケースが多い。
  • 講義においては、前半は、「京都議定書」の国際合意に達するまでの大変に難航した国際交渉過程をとりあげ、後半は、我が国の「エネルギー政策」を取り上げて、実際の持続可能性を巡る重要政策が形成されるまでの複雑なプロセスを学ぶ。
  • 講義においては、これらの政策に関与した経験を有する講師による講義のほか、2種類のテキストを活用して、講読を通じて習得することとする。
  • 人間が、有限の地球上において、将来にわたって地球の恩恵を享受し発展し続けていくには、人間が「持続可能な開発(発展):Sustainable Development」の基本理念に基づく行動をとることが必要である。このことを十分に理解する。
  • 利害対立等から、持続可能性の観点から極めて重要であるにもかかわらず困難に直面する環境政策課題が多い。実際に環境政策課題の解決策を意思決定するまでの過程について、典型例の学習を通じて、理解を深める。
  • 持続可能性の実現に向けての政策の形成や推進において、重要なキーワードの一つが、「参加」であり、また参加的手法が最近開発され、施行されていることを理解する。

科目名:環境教育 —持続可能な社会の担い手育成としての広義の環境教育—

講義:吉川 まみ

自然保護教育、公害教育の二つの源流を持つ環境教育は、環境問題や社会構造の変遷にとともに、持続可能な社会の担い手育成としての教育へと変化してきました。

2011年3月、東日本大震災、福島原発事故をふまえた2012年の第4次環境基本計画では、それまでの持続可能な社会を示す「低炭素」・「資源循環」、「自然共生」というキーワードに、「基盤としての安全が確保される社会」という言葉が付加されています。

本科目では、防災やエネルギー問題はもちろんのこと、持続可能な社会のあらゆるあり方がその根底から問い直される今、一人一人のライフスタイルの転換をふまえたこれからの環境教育を共に考えていきましょう。

以下の2つの次元で Think Globally, Act Locally を考えること。

  • (1) グローバルで多様な社会諸問題の相互連関性をふまえたうえで、地域の持続可能性について考えられること。
  • (2) 社会の持続可能性を考えることは、一人一人がライフスタイルを問い直すことでもあると認識できること。

科目名:産業廃棄物処理 —安全で豊かな社会を支える静脈活動—

講義:大坪 國順

事業活動に伴って排出される産業廃棄物は、家庭から排出される一般廃棄物とは異なり、性状も排出形態も多様であり、その特性に応じた処理が必要となる。事務所や商店などから排出される事業系一般廃棄物も含め、事業活動に伴って排出される廃棄物の排出、処理・処分及びリサイクル等の状況や管理体制、そのための技術について解説する。また、不法投棄など、産業廃棄物の処理に伴って生じる問題について具体的な事例を紹介する。これらを踏まえて産業廃棄物処理が今後進むべき方向について考える。

我が国の廃棄物処理の現状について相場観をやしなう。

環境問題を考える上でのDriving Force - Pressure -State - Impact - Responseの内で、Responseについて考え方の基本を理解する。

科目名:環境経済学 I

講義:鷲田 豊明

環境と経済の調和のために、経済システムはどうあるべきかを基本的なテーマとする。環境問題としては地球環境問題、環境汚染、生態系破壊、廃棄物問題など、環境政策としては、税や排出権などの経済手法、企業活動や消費者の自発的環境保全行動の問題などを重視する。CVMによる自然環境の経済評価も重視する。多数の経済主体(企業、消費者など)の活動から形成される経済システムの分析手法の理解も重視する。

環境経済学の基礎的な考え方や大きな枠組みを示すことを目的にする。特に環境政策の経済的手法の内容、あるいは優位性、環境の最適利用について詳述する。

科目名:環境経営学

講義:鈴木 政史

本講義は環境問題と企業経営の関わりを概要する。本講義は4つのパートからなる。1つ目のパートは経営学及び環境経営学を概要する。2つ目のパートは企業をめぐる様々な環境問題を取り上げ、企業と環境問題の歴史的な変遷を概説する。3つ目のパートは気候変動問題(及びエネルギー問題)に焦点を絞り、気候変動問題をめぐる環境経営の理論と実際の両方を検討する。企業が実際にどのようになぜ環境問題に取り組んでいるか理論をベースに理解が深まるようにする。4つ目のパートでは環境問題をめぐるこれから10年、20年先の世の中のトレンド(人口、技術、エネルギー、食糧など)を考えながら、学生自らが環境問題に対応した「将来のビジネスモデル」を提案する。

本講義の達成目標は以下の4点である。

  1. 企業と環境問題の歴史的な変遷を理解する。
  2. 経営学の初歩を理解する。
  3. 気候変動問題をめぐる環境経営の理論と実際を理解する。
  4. 人口問題、食糧問題、エネルギー問題など他のグローバルな課題と環境問題の関係を理解し、グローバルな課題に対応した「将来のビジネスモデル」を提案する。

科目名:日本の環境法 —日本の環境法と国際的な動向—

講義:織 朱實

わが国の環境関連法と諸外国の環境法との比較分析を通して、わが国の環境法の構造と意義、課題について検討していく。

環境問題を理解するために、国際的な動向に配慮しながらわが国の環境法の構造と意義を理解し、その限界を認識することを目的とする。

科目名:環境政策形成論

講義:深見 正仁

いくつかの環境政策を取り上げ、その政策形成の科学的根拠、社会的背景、政策立案の経緯、政策の具体的内容、政策の効果と問題状況等を講義する。

個々具体的な環境政策を取り上げるが、基本から講義するので、受講に当たって関連する基礎知識は必要としない。一方で、科学、法律、経済等の広範な学問分野にわたる講義になるので、論理的な理解力が必要となる。

2コマ続きの講義であるので、2時間半程度の講義と30分間のミニレポート作成時間を与え、毎回、講義に関するミニレポート(講義の感想、自分の意見など)の提出を求め、それにより出席確認と成績評価を行う。期末試験、期末レポート等は実施しない。

様々な環境政策の形成過程を学ぶことを通じて、現実の問題状況に応じた政策形成を自らの頭で考えることができる力を育む。

科目名:生物と環境 —地球環境と生態系保全—

講義:奥田 俊統

森林~草原、沿岸地域などの様々な生態系保全やそこに住む生物多様性保全が気候変動対策とどのような関わりがあるかについて解説を行う。

生物社会の成り立ちとその時空間的な変動、炭素などをめぐる物質循環などについて理解を深め、地球環境レベルでの温暖化対策、森林減少抑止策、生物多様性保全などの国際的な枠組との関連性についてしっかりとした知識を身につける。

科目名:環境史

講義:まくどなるど あん

環境史という学問はアメリカ大陸で誕生してから四〇年ほどがたつ。その後、アメリカをはじめ、ヨーロッパでは普及しつつあるが、日本では正統な学問として《市民権》はまだ得てなく、認識もやや低いとも言えるであろう。

環境史とはこれまで人間社会はどのように否認減(自然界)とかかりをもってきたのか。このことを追求するのが環境史である。この学問は、人間がどのように自然界をかえてきたのか、それに影響を与えてきたの か。また自然界が人間社会にどのように影響をおよぼしたのか、その考察をしようとしている学問である。人為による変化なの か、自然現象による変化なのか、潜在的であったにしても、突然変異であったにしても、その原因が人間社会にあるのか、非人間社会側にあるのか、非人間社会(自然界)側にあるのか、あるいは双方にあるのか、その様々な変化の現象を追求する学問でもある。だから簡単に言えば、人間社会と非人間社会(自然現象)の互恵的影響を追求する学問ということになる。

科目名:アジア環境研修 —現場実践型演習 対象地域: 中国北西部にある黒河流域—

講義:黄 光偉

中・下流域の水環境、社会・経済構造の調査を行う。
調査結果に基づいて、中流の生業が下流の生業に与える影響を明らかにする。
問題を報告する方法を考案する。
水管理の在り方が齎した自然と社会・経済構造の変化を総合的に議論する。
乾燥地域のサステナビリティのロードマップを提案する。

科目名:途上国の環境と開発 —環境と開発の両立をめざして—

講義:プテンカラム ジョン ジョセフ

この講義では、経済的視点から、人間と地球環境のかかわりを考察する。特にアジアの国々を中心として、経済思想・経済活動・経済システムがどのように変遷しながら、アジアの環境に影響を及ぼしてきたかを分析する。その上で、グローバル化による発展途上国の変化や、経済開発による貧富の格差、環境破壊の問題を見ていく。

人間と地球環境のかかわり、途上国の経済開発の必要性、途上国の環境保全の必要性、環境と開発の両立の可能性。

科目名:エネルギーと環境

講義:田中 大

エネルギーを巡る課題と対応には地球環境問題を避けて通れない。特に、複雑系としての環境問題は従来の学問分野の個別知識では対応が困難である。幅広い科学と技術の常識に基づき人類にとって不可欠なエネルギーと環境問題との結節点について講義する。

“エネルギーと環境問題”の理解には広い科学の常識が不可欠である。本講ではエネルギーをキーワードとして“環境科学”と “環境技術”の現状を習得し、環境問題の大学院レベルでの把握に必要な基礎知識の構築を目標とする。

科目名:環境経済学 II

講義:鷲田 豊明

環境問題を経済システムの中に内部化するためには、環境そのものに適切な経済評価が与えられ、環境利用に伴う便益と被害が貨幣額であらわされることが不可欠である。この講義では、環境の経済評価手法と、それによってそのことが可能にする、プロジェクト評価、企業・製品の環境負荷評価の応用、環境を含む国民経済計算体系について概説する。CVMとコンジョイント分析については、実際のデータに基づいて、計算ができるようにコンピュータルームで実習を行う。コンピュータについての特別な知識は前提としない。講義終了後にレポートを提出していただく予定だが、代わりに、筆記試験を行う可能性もある。

環境経済評価の理論から応用、実際の計算ができるところまでの能力をつける。

科目名:地球温暖化対策論

講義:岡﨑 雄太

地球温暖化問題に対応するためには、化石燃料の使用を前提とした現在の社会経済システム(エネルギー、モノやサービスの生産・消費・流通、国土・交通インフラ、都市計画、金融、税財政等を含むあらゆるシステム)を低炭素型のシステムへと根本的に転換していく必要がある。講師が日本国内、米国及び中国で携わった地球温暖化の対策・交渉の経験や国内外の先進的な取組事例を紹介し、政府や企業が地球温暖化対策に取り組む上で直面する障害とこれを乗り越えるための政策のあり方について、検討する。

地球温暖化問題に取り組む上での課題や国内外の動向を広く理解するとともに、課題解決のための政策・対策の提案能力を身につける。

科目名:森林環境政策

講義:柴田 晋吾

森林自然環境が有している多様な生態系サービスあるいは自然資本の価値に着眼しつつ、欧米諸国や我が国の森林自然環境資源管理についての思想と政策について、歴史的な展開過程を含めて学びます。特に、環境価値の取り扱い、木材を中心とした経済的価値の追求(林業)との調整、そして自然共生・低炭素・循環型の持続可能な社会づくりにおいて望まれる政策について理解を図ります。

森林自然環境政策についての基本的な知識を身につけるとともに、各自が選択したテーマないしは事例について深く理解する。

科目名:環境リスクマネジメント —情報公開、リスクコミュニケーション、市民参加—

講義:織 朱賓

科学技術が進歩し、様々な化学物質が社会生活の中で使用されている現在では、従来の特定の物質を一定量規制するだけの規制的手法では限界がある。そこで、環境リスクという概念のもとで、環境リスクを社会全体でコントロールしていくという、環境リスクマネジメントというアプローチが重要になってくる。環境リスクマネジメントを有効に機能させるためには、情報公開、リスクコミュニケーション、市民参加のあり方も検討されなければならない。

個別の環境問題ごとに、環境リスクをどのようにとらえマネジメントしていくかについて理解する。

科目名:環境と消費 —持続可能な消費—

講義:中原 秀樹

資源消費も環境破壊も限りなく増大し,もはやコントロール不能な状態である。効率や消費システムを思い切って大幅に転換して資源集約度を下げ,消費主義的価値観を根本的に変えない限り,解決は望めない。講義では破壊的なプロセスと消費的な価値観を根本的に変えるための現実的な取組を提案する。

21世紀は環境問題の解決なくして人類の存続はありえない。地球環境問題を理解し,その解決のためにマラケシュプロセスの1つである持続可能な消費はどのように寄与できるかを知る。

科目名:環境研究のフロンティア —環境科学特別講座 -研究最前線からの報告-—

講義:大坪 國順

環境学で修士号の取得を目指す学生が当然身につけておくべき様々な環境問題の最近の知識を知る上で必須の科目である。本学研究かと連携協定を締結している国立環境研究所から、各分野の第一戦で活躍されている現役研究者らを招聘し、地球温暖化、循環型社会、化学物質、生物多様性等の問題をわかりやすく概括して頂くとともに、現在、専門分野でもっともホットな研究成果を解説して頂く。

環境問題にかかる研究の最前線の空気にふれさせ、科学的思考のおもしろさを触発させる。

科目名:環境工学 —環境問題解決のための視点—

講義:大坪 國順

人間活動の量的増大と質的変化が様々な環境問題を引き起こし、人類を構成要素の一つとする生態系の持続的な発展に様々な影響をもたらしてきた。本講義では、主に人間活動の量的増大が引き起こしてきた、地域での様々な環境問題を取り上げ、環境工学の視点からそれぞれの問題の現状評価を行うとともに、原因解明を含め、問題への対応について考えてみる。特に、水を取り巻く管理のあり方を地域コミュニティレベル、都市レベル、流域レベルでの生活とのかかわりで考えてみる。

環境問題の内、公害問題として位置づけられる大気汚染問題と水質汚濁問題について、日本での取り組みを例に挙げて説明し、背景、状況、影響、対策の枠組みを理解させる。その枠組みを基に、自国の有効な対策について検討するための能力を身につけさせる。

科目名:CSR経営

講義:フランク ビョーン

本講義では、CSR(Corporate Social Responsibility)とその経営を対象にする。CSRとは、社会と自然環境に利益をもたらす企業活動である。CSRを重視する企業は、利益のみを追求するのではなく、社会と自然環境にとって有害な影響を最小化し、有益な影響を最大化することに責任を持っている。本講義の対象テーマは、CSRの定義と経営上の合理性、利害関係者理論、労働慣行、CSR対応の組織変動とリーダーシップ、社会的起業、社会的責任投資、CSRと文化の関係等である。

本講義は、CSRを重視する企業で働く際に有利な知識を受講生に伝えることを目的とする。受講生には、学習した知見を演習とケーススタディで適用する機会を設ける。

科目名:国際環境法 —環境保全に関する国際法制度—

講義:磯崎 博司

国際環境法の基本枠組み、また、汚染防止に関する条約、および、自然環境の保全と利用に関する条約について考察する。

具体的には、国際環境法の基本原則、各条約において運用上の課題となっている事柄、それらに対して執られてきている実施確保手法および手続き、環境条約間の相乗効果の確保について検討するとともに、環境条約の実施確保のために国内法令に求められる措置や国内裁判を取り上げる。

これらの検討にあたっては、特定の条文について、その背景状況や交渉過程の分析に基いてどのような解釈ができるかを試行することを含む。

条文を注意深く詳細に読むことを通じて、対象とする条約の特定条文の背景状況、作成時の意見対立、運用に際しての課題、効果的実施のための条件などを正確に把握すること。

科目名:インターンシップ II

講義:柴田 晋吾

  • 地球環境学研究科に所属する学生個々の研究テーマに関連した就業体験を実施する。抗議科目・研修の履修で学んだ知識と経験を、実際の企業・事業現場において体験・実習することで、学生自身の能力の向上等を図り、学業の発展に活かすことを目指す。
  • 対象インターン先の開拓は、学生自身が指導教官と相談して行う。
  • インターン実施に際しては、指導教官と相談して、計画書を作成、承認を得る必要がある。
  • 期間中にインターン先が見つからないか、何らかの事情で実施が見送られる場合は、履修中止のための必要な手続きをとること。

講義で学んだ知識と経験を、実際の企業・事業現場において体験・実習することで、学生自身の能力の向上等を図り、学業の発展に活かすことを目指す。

科目名:演習 A、C

講義:柴田 晋吾

自然共生型、循環型、低炭素型の持続可能な社会の構築に貢献するための環境政策の幅広いテーマについての理解を深めていきます。テキストの輪読と発表をもとに討論をする形式を中心に行います。、また、一人一人の修士論文のテーマと関連するテーマなどを掘り下げて取り組み、口頭発表をしてもらいます。このほか、学生の関心事項や希望に応じて、ゲスト講義や現地見学も計画します。

環境政策について広範な知見を得るとともに、特定のテーマについて深い理解を得る。[研究テーマのキーワードの例:持続可能、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会、ガバナンス、参加、協働、コミュニティ、生態系サービスへの支払い(PES)、環境価値の評価、フォレスティング、水源保全、生物多様性、景観、エコツーリズム、森・里・川・海連環、野生生物との共存、里山、REDD+、バイオマス利用と自然エネルギー、環境教育、持続可能な開発のための教育(ESD)、放射能影響対策]

科目名:演習 A -経済開発と地球環境-

講義:プテンカラム ジョン ジョセフ

この演習では、開発経済学の枠組みで地球環境問題の現状を分析する。その上で、持続可能な未来の構築に向け、いかなるビジョンを共有すべきかを探求することをねらいとしている。特に、開発途上国の貧困、教育などさまざまな問題、とりわけ環境に関わる問題の知識を高め、経済・社会・人間開発などアルターナティブな解決策となりうる道を探求していく。また、開発途上国の環境政策の現状を考察し、21世紀社会に求められる真の開発と環境の関係性を研究することを目的としている。

  • 発展途上国の経済開発と環境問題の現状を知るようになる
  • 経済・社会・人間開発の理論研究を深める
  • 発展途上国の環境政策の現状を考察する
  • 持続可能な未来の構築に向けて新しい理論を描くこと

科目名:演習 C -国際会議おける地球環境ドキュメント研究・環境と経済開発の視点から-

講義: プテンカラム ジョン ジョセフ

近年の地球環境に関する国際会議のなかで、開発に関わる各国政府や国際機関の動向、および地域別戦略を分析する。一面的な把握にとどまることなく、貧困を抱える開発途上国や社会的弱者への“優先的な選び”を前提とした“持続可能な開発”の視点で捉える。具体的には、「われわれの共通の未来」報告書によって新たになった地球への認識をもとに、 "アジェンダ21" "生物多様性条約" "京都議定書" COP, など世界的ルールが登場した経緯をこのドキュメント研究によって考察する。

  • 地球環境ドキュメント研究
  • 世界的ルールが登場した経緯
  • 地域別戦略を分析する
  • “持続可能な開発”の視点

科目名:演習 A、B、C、D —国際的な視点から考える環境法政策—

講義:織 朱實

環境問題は、地球規模で国際的に考えなければいけない問題であると同時に、私たちの暮らしのあらゆるところに関わっている問題である。その問題の対策を法律でどのようにコントロールしているか、法の適用とその限界を考えながら解決策を考えていく。地球環境的および現実的な観点を意識しながら文献報告と討議を行う。テーマごとに担当者が発表を行い、それに対する質疑応答を重視する。皆でしっかりと議論するためには1人1人がしっかり準備することが必要となる。指定図書、判例をきっちり読み込んで分析することをベースに、現場実証等を加えて議論を発展させていきたい。

環境法全般の法的分析力をつけ、環境問題を解決するために何ができるのか、具体的な問題意識をもってもらうことを目的としている。

科目名:演習 A、B、C、D

講義:鷲田 豊明

環境と経済の調和のために、経済システムはどうあるべきかを基本的なテーマとする。環境問題としては地球環境問題、環境汚染、生態系破壊、廃棄物問題など、環境政策としては、税や排出権などの経済手法、企業活動や消費者の自発的環境保全行動の問題などを重視する。CVMによる自然環境の経済評価も重視する。多数の経済主体(企業、消費者など)の活動から形成される経済システムの分析手法の理解も重視する。基本的にテキストを輪読する。同時に、各自が持っている問題意識に基づいて、関連論文、文献などを調べ適宜、演習の場を使ってプレゼンテーションを行う。

演習Aでは、基本的に、環境経済学に対する基礎的な理解を得ることを目標にする。そのために、標準的なテキストである、Environmental Economics, Charlse D. Kolstad, Oxford University Pressを輪読する。基礎的な数学的素養が必要である。

テキストは英語であり、英語しか理解できない参加者がいた場合は、英語で行う可能性もある。

科目名:演習 A、B、C、D

講義:フランク ビョーン

この演習では、環境経営学の分野で大学院レベルの研究を行う能力を習得することを目的とする。最初の段階では、受講生は、主に統計学手法に基づく研究方法を学習する。次の段階では、受講生は各自の興味の対象となる英語の研究論文を探し、その内容を各自演習で発表・解説し、グループで討論する。最後の段階では、受講生は自分の研究プロジェクトを自ら設定し、アンケート調査・外部のデータベース等によりデータを収集し、統計的手法によりそのデータを分析する。

この演習では、受講生が環境経営学(特に環境マーケティング及び経営マネジメント、環境サプライチェーンマネジメント、CSR経営等)の分野で研究論文を理解し、また自ら大学院レベルの研究を行う能力を習得することを目標とする。

科目名:演習 A、B、C、D

講義:岡﨑 雄太

今日の複雑化した環境問題に対応するためには、狭義の環境対策のみならず、他の様々な政策分野と融合した総合的な環境政策の立案が求められている。また、政策の導入に当たっては、幅広い利害関係者の間で合意を形成することが必要となる。本演習では、文献購読に加えて、講師が政策立案に携わった具体的事例も取り上げながら、政策立案、合意形成のあり方を議論する。

環境政策の立案、合意形成を図る上での課題を理解するとともに、課題解決のための政策・対策の提案能力を身につける。

※年度によって多少の異同があります。