
地球環境問題が世界的に注目されるようになってからまだ数十年しかたっていません。地球規模の生態系と人間の活動の相克から生まれているこの問題は複雑であり、人間がこれまで生み出してきた自然科学および人文社会科学の知識を総合的に応用することが求められています。したがって、地球環境学も、自然科学的知識としては、気候、資源、工学・技術、生態系などの知識、人文社会科学としても、法学や経済学、哲学や倫理学、人口論や社会学など、幅広い学問の融合した領域として形成されなければなりません。
また、「持続可能な開発」といわれるコンセプトがどのようなものになるべきかという、これまで問われなかったようなテーマも登場しています。さらに細部にいたれば、気候変動の回避なども含めた生態系の保全、大気や海洋などの汚染回避、廃棄物問題、生物多様性の保全、などの問題も深刻です。このように、いまだ、地球環境学は孵卵器(インキュベーター)の中に入れられているといっても過言ではないでしょう。