教員紹介

柴田 晋吾

プロフィール

京都府出身。東京大学農学部卒。科学修士(カリフォルニア大学バークレー校)。農学博士(東京大学)。農林水産省、国連食糧農業機関(FAO)、文部科学省などの勤務を経て現職。国有林の現場では国民参加のためのモニター制度の導入や下草刈り省力化のための羊放牧試験にも取り組んだ。国連食糧農業機関(FAO)本部では、アジア太平洋諸国の森林保全のための政策的技術的な支援、同アジア太平洋事務所ではインド洋大津波被害諸国の参加型復興に携わった。また、文部科学省では26か国が参加する深海掘削の国際共同研究プロジェクトの共同議長も務めた。JICAの作業監理委員や国内委員を歴任。アメリカフォーレスターズ協会会員。主要著書として、「エコ・フォレスティング」(日本林業調査会、2006年)。

1.研究紹介

アメリカ滞在中に、アメリカの環境政策と環境アセスメント、公共政策決定過程における国民参加の仕組み、多目的な環境資源の管理計画手法、開発途上地域の森林減少・劣化問題と地域社会開発、半乾燥地における砂漠化問題などについて研究。学位論文「森林の多元的価値実現論 -持続可能な森林環境資源管理のあり方についての研究」において、環境資源管理の思想や政策転換の歴史的経緯と「参加」・「協働」が政策形成過程に果たした役割を分析した上で、「予定調和」に代わる「計画調和」の思想を提言。自然資本や生態系サービスと人類との持続可能な関わりのあり方を見出すための研究、具体的には、生態系サービスへの支払い(PES)など世界の森林保全のための政策手法、多様なステークホールダーとの協働による生態系再生・景観管理と地域再生のあり方、人と自然が共生する里地里山システムの再興などについて、引き続いて研究。

2.特色

省庁や国連機関などにおける政策形成や事業実行の現場の様々な経験を含め、グローバルな視点と海外情報を豊富に取り入れた実践的な講義を行う。英語学生と日本語学生合同のゲスト講義などを実施することにより、これらの学生の交流と日本語学生のグローバル化の促進を図っている(最近のゲスト講義のテーマ:「JICAのREDD+の取り組み」、農水省担当者による「森林・林業白書の説明会」、「横浜市の水源林の取り組み」、「環境NPOコンサベーションインターナショナルの取り組み」、「日本とヨーロッパの里山と野生生物保護問題」)。

3.何が学べるか

「環境政策論」では、環境問題や環境政策全般についての基礎知識と考え方を身につけるとともに、環境政策の形成過程における参加と協働の取り組みの理論と実際について、国内外のケーススタディを通じて理解を得る。「森林環境政策」では、欧米や我が国の森林自然環境資源管理についての思想と政策の歴史的展開過程、および様々な生態系サービスをバランス良く持続可能な形で享受するための政策手法を中心に学ぶ。また、「Global Forest Conservation Policy」では、生物多様性の保全や気候変動への対処を含めて、複雑な世界の森林保全問題について豊富なケーススタディをもとに学ぶ。

「Environmental Resource Management Policy」では、環境政策の基本的な考え方を学ぶとともに、伝統的に公共財・非市場価値とされてきた様々な環境価値に着目し、その保全管理のための取り組みについて学ぶ。

4.ゼミの紹介

輪読とディスカッションを主体に実施。枠に捉われない発想やアイデアの芽を育てることを大切にし、グローバルな人材の育成を目標とする。各自が選んだテーマについて取り組み、発表し、皆で議論する機会を設けることで、研究の基本姿勢や分析力を身につける。フィールド調査や学外連携・国際連携にも積極的に取り組み、理論に偏らずに現場に学ぶ姿勢を重視している。ゼミ生の取り組みテーマの例:環境教育、生態系サービスへの支払い(PES)、エコツーリズム、協働による生態系管理、開発途上国の地域開発、水源保全、アフリカの食糧安全保障、中国の大気汚染など。