教育
教育方針
人間の知的活動の本質は、既存の問題に「いかに答えるか」ではなく、「いかにして『新たな問い』を見つけるか」にあると考えています。問題処理能力ではなく問題発見能力、これを身につけていただきたい。大学院はこの「新しい問い」を見つけるための訓練の場であり、そのための道具を使えるようになる修行の場です。この道具とは、理論と方法論、そして個々の研究関心を大きな物語の中でとらえる科学的想像力です。問題意識を研究課題に転化し、計画的・系統的に情報を収集し、理論・仮説のもとに分析し、その結果を修士論文にまとめるという、一連の知的活動を通じて、「新たな問い」を立てるスキルを学んでほしいと思います。
担当科目
- 環境社会学
- 環境研究のための統計学
- 環境とジェンダー
- 演習
- Environment and Sustainable Lifestyle
- 生活の中のジェンダー(学部)
- 映像の中のジェンダー(学部)
- 知としての身体(学部・輪講)
ゼミの紹介:シナジー・ラーニング
人と自然環境の相互的な関係を社会学の立場から考察するのが大きなテーマです。その枠組みの中で、学生が選んだ研究課題に沿って、その研究をサポートする形で運営します。ゼミには3つの柱を立てました。一つは文献の輪読。これは修論研究に必要な基本的な文献を一緒に輪読するというもの。今まで取り上げた文献は、社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)、ネットワーク理論、コモンズ論など、主に古典を輪読してきました。二つ目の柱は、方法論。受講者が抱える問題意識をいかにして「研究」として形作っていくか、その学術的な作法を学びます。研究を導く「問い」の立て方、研究対象の選択とアクセス可能性の検証、データ収集とその分析過程で直面する問題とその対処方法などを、学生のニーズに沿って学習します。三つめの柱は、共同体としてのゼミ。各自の研究を進める上でその直面する問題点をそのつど分かち合い、その対処方法を一緒に議論しながら、互いから学び合います。受講生がプレイヤー、教員はコーチ。そんな形でチームを作っています。